おでかけ

3人が泣いた日

その日は朝から忙しかった。

なぜなら夜、映画を見に行くからだ。

ママは仕事。

終わったら、家に戻って、兄くんと弟くんを車で拾ってそのまま映画館へ行く。

チケットはもう予約してある。

当日必須なのは、QRコードを表示させるスマホだ。

ママは、職場に残業は出来ないと伝えておいた。

意地でも帰る。

兄くん達に、伝言を伝える。

「着替えておいてね」

すぐ家を出れるように、だ。

弟くんにも確認する。

「今日は何の日?」

「映画の日やろ」

即答だ。

楽しみなのだ。

いつもの感じなら、「知らん」と帰返ってくるはずだ。

兄くんは、少し前、行かないと言っていた。

だけど、漫画を見て好きだったのは知っていたから、チケットは取っていた。

後で行く、と言われても困る。

「オレ行くって言ったっけ?」

金曜の夜、仕事が終わったら映画に行くよ、と伝えた時の反応だ。

「行かんの?」

白々しく聞く。

「いくっちゃいくけど。」

行く気になってくれたようだ。

この時は、兄くんも、ママも、そんなに楽しみにしていた訳ではなかったように思う。

ママは、どちらかと言うと、

予約したチケットがちゃんと消化されるよう、ミスのない1日を送りたくて気合を入れていた。

兄くんの作品に対する熱の最高潮も、少し前だったので、そこまで「みたい!」という感じでもなかったようだ。

これが、3人が泣いた映画を見た日の始まりだ。

仕事帰りに映画は、前にも経験があった。

時間がシビアだ。

まず、子供達はナイトショーに入れない。

子供達が入れる一番遅い時間のチケットを買った。

職場から家まで30分、すぐ拾って映画館まで20分、チケット買うのに5分、飲み物買うのに15分、・・・

開演まで30分ほど残りそうだ。

でも、何が起こるかわからない。

まぁでもきっと間に合うだろう、そう思っていた。

Contents

いつもと違う時間帯

まず、順調に仕事を終え、家に向かった。

同じ道を通る。

「・・・」

渋滞していた。

そうだった・・・

このお道は渋滞するんだった。

ママがいつも帰る時間には、もうすいているから、そこまで考えてなかった。

いつもは1つの信号を待てば、高速に乗れた。

だけど、今日はもう2回も赤信号に引っかかった。

横道から入って来る車が多いのだ。

その横道を過ぎればきっとスムーズに動くはず。

この横から入って来る車の中には、結構無茶して入って来る人がいる。

信号がないから、致し方無い所もあるが、おいおいそれは危険だろう、と思う事も多い。

前の車との車間距離に無理矢理入って来るのだ。

少し手前に信号があるので、ずっと延々と入れない状態が続く訳でもない。

待てないのかな?と思う。

まぁ、待てないんでしょう。

作品のテーマ曲をアップルミュージックで流す。

これは新曲で、数日前にはまだ聞けなかった。

映画内で流れるのはきっと一部と、エンドロールで聞けるとかだろうから、

先に覚えておいて、心の中で合わせて歌いたい。

そして車の中では子供達に自慢したい。

どやっとしたい。

高速に乗ってしまえばこっちのものだ。

左車線から、右車線へ。

「・・・」

右は追い越し車線。

追い越す為の車線なのだ。

「・・・」

なぜか左車線にも、右車線にも、40キロ程度の車が走行し、道を塞いでいる。

兄くんの口癖が出る。

「どういうことだってばよ・・・!」

ママがいつも帰る時間は、走行している車の数も少ないので、

追い越し車線を走る遅い車がいたとしても左車線を走って抜ける。

だけど今は、ちょうど帰宅時間に重なり、車の量も多い。

抜けない・・・。

こんな時、逆に左車線の車が気を使ってスピードを出してずれてくれる事がある。

少し期待したが、今回はそれもなかった。

しばらくすると、少しずれたので、間を縫って追い越しするか考えた。

だけど、無理な追い越しになってしまいそうだったので、諦めた。

ここで事故にあっては元も子もない。

急いでいる時に限ってこうだ、

だけどきっとこういう時に事故にあうのだ。

高速を低速で走っていると追い越したい気持ちがむくむくと盛り上がって来る。

だけど、もしここで事故にあってしまったら、というのを沢山考えて自分を落ち着かせた。

もしここで事故にあったら、映画が見に行けない。

映画を見に行くために事故にあったとなれば、子供たちもトラウマだ。

落ち着こう、時間は余裕があるはずだ。

早く帰ったはずなのに、いつもより帰宅時間はかかってしまった。

準備をしていない

”こんな日に限って”

急いでいると、思ってしまう。

急いでいるからそう思うのだ、きっと。

きっといつもこんな感じなんだけど、急いでいるから気になってしまうのだ。

きっとそうなのだ。

職場から帰る際、駐車場から家に電話をした。

出なかった。いつもは出るのに、出なかった。

いつも子機で出る弟くん。

たまに充電機に戻すのを忘れて充電切れになっている。

今日もそうなのだろうか?

兄くんの携帯へかける。

出ない。

兄くんは元々あまり出ないので、期待はしていなかった。

しかし、携帯を肌身離さず持ち歩き、動画を流し続ける兄くん。

電話がなっても出ないという事は、無視しているということ。

自分がイラっとするのが分かった。

朝、あれほど言っておいたのだから、

きっと準備していてくれるだろう。

弟くんは帰るといつもパジャマなので、出かけれるような格好でいてね、と念押ししておいたし、きっと大丈夫。

家へ到着し、玄関から兄くんと弟くんを呼ぶ。

ひょっこりあらわれる弟くん。

「ママ」

ちょっと嬉しそう。

その姿を見て驚愕する。

パジャマじゃないか。

「早く着替えて~~~行かんの??」

急いで兄くんの元へも向かう。

視界に入って来たのは、プレステでゲームをする兄くん。

「よっ」

目があった兄くんは、軽く挨拶してくれた。

よ、じゃねーし、である。

「準備して早くいくよ~~~!!!」

怒号がとんだ。

お説教タイム

映画館へ向かう車の中で忘れ物がないか再確認。

玄関までは覚えていていても、出た瞬間忘れている事が多々あるからだ。

よく忘れるのが、水筒、ゴミの日のゴミ。

封筒なども良く忘れる。

なんだろう、玄関に持って行くものを置いて、忘れないようにしても、玄関から出る時に忘れるようなのだ。

靴かな?

靴を履いた瞬間に忘れるのかな?

靴を履くという行為がきっかけになって忘れてしまうなんてまるで魔法のようだ。

「なんで準備してなかった?」

お説教が始まる。

さっと行けるように、準備しておいてと頼んでおいたはずだ。

渋滞などはどうにも出来ない所だけど、準備する時間はゼロに出来たはずだ。

「電話もしたよ」

気づかなかったと返事がきた。「携帯にもかけたけど?」

続けて、一回も見てない、との返答だった。

ふいに、忘れ物があるんじゃないかとまた心配になった。

「大丈夫だよね?パパからもらったおこずかいもあるよね?」

映画を見に行くからと貰った2千円。

そのまま助手席の前に置いておいたのが、見当たらなかった。

「あれ財布に入れたっけ?」

兄くんと弟くんに聞く。

「知らん」「知らない」

ダブルで答えられた。

ママは現金を持っていなかった。

お金をおろす時間はない。

現金がないと、飲み物とポップコーンが買えない。

一大事だ。

2千円がどこにあるか。

この車の中のどこかにあるはずだ、それは間違いない。

2千円を探しださねばならない、映画館につく前に。

緊急ミッションである。

「どこやったっけ??あれそこなかった?」

「ないよ」

いやいや、そこ置いた、確実に置いた。これは確実だ。

弟くんは今見て、今”無い”と答えたのだ。

置いたのはそこだ、きっとどこかに落ちたのだ。

車内ランプをつける。

ママは運転中で探せない。

兄くんと弟くんが探してくれる。

「財布に入れたんじゃね?」

ふいに兄くんが言う。

無意識に入れたのかもしれない、と思いはじめた。

無意識に物忘れをするのだから無意識に財布に入れてるかもしれない。

自身が無くなってくる。

兄くんにお願いをし、財布を見てもらう。

「入ってないね」

兄くんがあっさり教えてくれる。

良かった、これで入っていたとしたら、無意識に入れていたと言う事。

記憶にないのだから怖すぎである。

良かったけど、2千円はどこ行ったのか。

5分ほどして、弟くんが声をあげる。

「あった!」

「よくやった!」

すかさず褒める。

助手席の下に落ちていたようだ。ランプの光が届かない、くらがりにあったようだ。

緊急ミッションはクリア出来た。一安心である。

期待で胸がふくらむとはこのこと

映画館に向かう中、兄くんが聞いてくる。

「ママさんママさん、あと何分?」

道が混んでいるパターンとそうでないパターンで変わる。

「混んでる?」

今は混んでないけど、少し先は混んでいる可能性。

「間に合う?」

このまま行けば間に合うけど、混んでてもきっと大丈夫だけど、

ポップコーンが混んでたら間に合わないかも。

「早く急ぐんだ・・・!」

急いでいるつもりではある。

なんだか兄くんのテンションが高い。

弟くんは、前から楽しみにしていたので、テンションが高いのは当然と言えば当然。

車の中に流れるテーマ曲が、兄くんをその気にさせたのかもしれない。

音楽は本当にすごいとママは思う。

音楽一つで怖い気持ちになったり、楽しい気持ちになったり。

時間は順調だ。

ポップコーンで時間を取られたとしても、間に合いそうだ。

映画館へついて、車を停める・・・所がない!

どこも空いていない。

裏側はきっと空いているだろうけど、遠い。なるべく近い所がいい。

ウロウロする。

「あった!」

小屋の様な建物の両際が空いていた。

すかさず停める。

後ろには後続車がつらなっている。

よかった、ラッキーだ。

「隣、気をつけてね」

降りる際に必ず言う言葉。

隣の車にドアをぶつけないように。

後ろの駐車スペースから前に抜けてくる車が来るかも知れないから、後ろにも駐車スペースがある時はその事もいう。

車を降りて、看板に目が行った。車止め近くにあった看板だ。

”パトカー専用スペース”

「・・・」

暗くて気付かなかった。

だから空いていたのか。

兄くんと弟くんを車に乗るよう促し、車を出す。

なんで?どしたん?弟くんからの質問攻め。

車を出しつつ、周囲に気をつけつつ、説明する。

「あそこはパトカー専用らしい」

空いてるスペースがない。Uターンして、裏へ回る事を決めた。

さすがに裏は空いていると思う。

「早く行くんだママさん」

兄くんがつついてくる。珍しく気持ちが高ぶっているようだ。

道なりに沿って裏へ回る。

ちょうどカーブにい差しかかった時、横から車が突入してきた。

「だあああああ!」

「あああ!」

ママと、ママの声にびっくりした弟くんが声をあげる。

ブレーキをギュッと踏んだ。

横入りしてきた車に乗っていた運転手が、肩腕をあげてこちらに合図した。

申し訳ないって意味だと思う。

まがまがしい気持ちが生まれてくるのが分かる。

「はあああー!?」

叫ぶママの声に、後部座席に座っている兄くんが反応し気配が変わったのがわかった。

「どしたんなんなんあぶねえ」

ママに驚き、何が起きたか時間差で理解し、感想を述べる兄くん。

事故にあう所だった。

スピードを落としていて良かった。

口から文句ばかり出てくる。だけどほんとにぶつからなくて良かった。

「こっち優先だったよね?」

言うものの、兄くんも弟くんも、どちらが優先かなんて交通ルールは知らないので、答えようがない。

「まぁぶつからんでよかったやん」

兄くんが、ママをなだめようとする。

確かにぶつからなくてよかったけど、なんなん。

ママはぶつぶつ言い続けた。

後ろの駐車スペースは、沢山空いていた。

「早く止めるんだママさん」

兄くんは気持ちを抑えられないらしい。

いつもはバックで駐車するが、頭から停める。

兄くんと弟くんが、二人でおしゃべりしている。

気持ちが高ぶっているのが伝わって来る。何を話していたかは覚えてないけど、些細な事を話していたと思う。

車を降りて、建物の中へと向かう。

車とぶつかりそうになった箇所を通る。

やはり、ママが優先だった。向こうは一時停止いしてない。

「ほら~!」

ママは声に出してアピールするも、二人とも聞いていない。

「はよいかな!」

兄くんも弟くんもテンションが高い。

コスプレをした小さな女の子が建物から出てくる。

それを見てまた足が速くなった気がした。

あの子はもう見たんだろうか?

入場者プレゼントの冊子を持っていた。

ドラえもんの映画の時もあった。

中は漫画だった。3人とも違う冊子を貰えて、特をした気分だった。

今回も種類があるんだろうか?

楽しみである。

建物の中へ入ると、いたるところにポスターや、絵が描かれていた。階段の段にも描かれている。

嫌でも気持ちが盛り上がって来るのがわかる。

まずはチケットだ。そのあとポップコーン。

チケットを出す機械が見えた時、思わず声が出た。

長蛇の列だった。

こんなに混んでいるのか。

大人しくならんで、二人にはトイレに行くよう促す。

上映中にトイレは困る。

見ていると、列が全く動いていない。

機会の故障だろうか?人が多いので、こんな事もある。

時計を見て、時間を確認する。まだ大丈夫だ。

スタッフの一人がやってくる。

これで列も進むだろう。

時計に目をやる。

まだ大丈夫だ。

ポップコーンの方は、そんなに並んでないように見えた。

だけど、一応聞いてみる。

「兄くん先に並んでおいてくれん?」

答えは分かっていたけど、もしかしたら並んでくれるかもしれない。

毎回断られるけど、今日は行くかもしれない。

「無理」

今日もダメなようだ。

並んでおいてくれたら、かなりの時間短縮になる。

時計を見る。

ギリギリでもないので、良いけども。

あまり早くても、時間をもてあます。

チケットの列は順調に進む。

壁に描かれたキャラクターの一部。

誰の絵か、弟くんが質問してくる。

「主人公よね?」

「せいかーい」

弟くんは楽しみで仕方がない様子で、描かれた絵のどこで主人公だと判別すべきか語り始める。

それを聞きながら、QRコードでチケットを出す。

一枚、二枚、三枚。

ちゃんと三枚あるか確認する。

一枚忘れたりしたら大変だ。

「よし行こうママさん」

せかす兄くん。

一つ一つ、確実に進まねばならないのだ、ちょっと待って欲しい。せかさないで欲しい。

ポップコーンとドリンクの列は、全く並んで無かった。

3組程しかいない。

何を飲むか、二人に聞きながら、気づく。

「本日ドリンクのみ?」

メニュー版に貼られていた。

ああ、なるほど。食べものメニューがないから、こんなに早いのだ。

コロナの影響だろうか。

でも食べ物が無い方が、良い気がする。落ちたポップコーンを掃除する必要もない。絶対落とす人がいるポップコーン。ママはいつも落とす。

何も食べない分、飛まつが飛ぶ機会も少ないだろう。

大体、映画を見に来ているのに、食べ物と飲み物を買う労力がすごい。

並ぶのも、持って行くのも、食べるのも気を使うし、大きいので席に置いておくのも結構邪魔だ。

映画を見にいくというより、映画とポップコーンを食べに行く、だ。

飲み物を買うだけなんて、なんて楽なのか。

後ろに並んでいた人から、愚痴が聞こえてくる。何も食べてないらしい。

ママもだ。

ママも何も食べてない。ここでのポップコーンを晩御飯変わりにしようとしていたので、困った。

「ホットドック」

弟くんが知らずに食べたいものを口にする。無いらしい、と説明してもすぐは理解していなかった。

当然食べれると思っていたのだ、弟くんは。

しぶしぶドリンクだけ頼んだ。

いつももらう、拡張できるプレート台は貰えなかった。あれがあれば、飲み物2つを片手でもてたのに。プレートは貸してくれてもいいんじゃないか??

各自飲み物をもつスタイル。

これは小さい子供ずれの方は大変だろう。

ストローを差す為に止まる。

ショップには人があふれていた。

きっと、沢山買って、転売する人もいるんだろう。

グッズには興味がなかったけど、弟くんが珍しく反応していた。欲しいものがあるらしい。

主人公が描かれた、タオルかなんかだった。

買ったあとの事を想像する。

普通のタオルだ、特別なタオルではない。

必要だと思えない。

だけど、欲しがる弟くん。

悩む。

買おうか?

結局買わずに行った。

でももう少しアピールされてたら、きっと買っていた。

はじまるまでの時間

チケットを見せ、冊子を貰う。

今回は一種類のようっだった。みんなっ貰ったことを確認して進む。

壁に掛けられたポスターを探す。

映画を見に来た時は、いつも写真を取っている。

二人に前に並んでもらって撮るつもりが、二人とも先に進んでしまっていたので、ポスターだけ撮った。

帰りには二人も入った状態で写真を撮りたい。

席に向かう。

ドラえもんの時は、一席あけでの予約だったが、今回は通常に戻っていた。

わざと、予約済みの席から、一席あけて、端の三席を予約した。

これで、隣の席は空席だと思った。

でもその考えは甘かった。

いつもママが廊下側に座るが、兄くんが廊下側に座りたがった。

弟くんは当然真ん中なのでママが中央寄りの席に座る事になった。

予想通り、中央側の席は一席空いていた。よかった。

「兄のジュースこっちおかんで」

「はあ?」

二人が言い争う。

一人の男が同じ列に入って来る。

まさか、と思った。

その男は大人でリュックを背負っていて、メガネをしていて、小太りだった。

偏見かもしれない。もてる男っぽくはなかった。ママは失礼である。

だけど、ほんとにそう思ってしまった。

まさかと思った考えが、本当になってしまった。

ママの隣に座ったのだ。

わざわざ、この隙間の席を選ぶなんて。

そんなに席が無かったんだろうか?

まわりを見渡す。

もしかして、満席なのかもしれない。

確かに人気のアニメの映画だけど、こんな時期に、こんな満席だなんて。

「すごい人だねぇ」

二人に話しかけながら、ドリンクを弟くん側にうつした。

別映画の予告がはじまる。

この映画がくせもので、なかなか胸につきささる。

ドラえもんスタンドバイミー2もあるらしい、見に来なければ。

ポケットモンスターは今回、親子の絆らしい。

親子の絆か~、・・・。

感動してしまった。

予告でうるっとしてしまった。

ほんと、考える人はプロである。

二人を見る。

あの弟くんが涙を浮かべていた。

「泣きそうになった」

映画でなけない、それが弟くんの毎度の悩みだったが、今日はまさかの予告でないてしまったようだ。

30分ほど続いた長い予告集を終え、やっとっ始まる。

空気が変わったのがわかる。

みんな全集中だ。

いい大人なのに真剣に泣いた

ママは原作をみておらず、アニメのみ見ていたので、ストーリーは知らなかった。兄くんのネタバレでどうなるかを、話しで聞いたくらいだ。

感動すると前評判であったので楽しみではあったけど、

まさか、まさか、こんなに感動してしまうとは。

アニメでこんなに考えてしまうなんて。

熱い考えは、いまどき受け入れられないのだと思っていた。

どこか冷めているのがかっこよくて、受け入れられる。

キャラクターがどうなるかは知っているのに、どきどきして、焦って、応援した。

音楽もよければ、映像もきれい。とても整っている。

日本風のアニメだけど、後半のバトルシーンの音楽は日本風でなかった。

合わないようでとても合っていた。かっこいい。

感情がとても揺さぶられた。

映画が終って、ママは涙と、鼻水を拭いた。

弟くんも、兄くんも泣いていたようだけど、あえて言わなかった。

「ティッシュいる?」

そうだけ聞いた。

いらないようだった。

車の中でも聞いたテーマ曲が、また歌詞がはまりすぎていて、

絶対この映画用に作った歌詞だと思った。

車の中で聞いていた分、覚えていて、ずっと頭の中に流れていた。

この日だけでなく、ここ一週間、ずっと流れている。

スクリーンを出て、廊下で写真を撮ろうと二人を促した。

だけど、他にも人がいたので行こうとしなかった。

人がいなくなるのを待って、「通り過ぎるだけでいいから!」となんとか向かわせて写真を撮った。

停止していないので、一部ぼやけた写真しか撮れなかったけど、

いい思い出になると思う。

ムー!に笑った。

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